2015年8月12日水曜日

ホズのデザイン


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最近話題になっている佐野研二郎さんのオリンピックのロゴデザイン。プレゼンの動画を見てとても感動し何度も見入ってしまった。とても洗練されていてかっこいいし、ロゴに込められた思いや意味もストレートにそして強烈に伝わってくる。こんな素晴らしいデザインを模倣だと訴える事ができるデザイナーの気がしれないと思った。折角日本を代表する素晴らしいデザインが生まれたのに、こんな騒動がついてまわるなんて本当に残念でならない...。

世の中には「凄いなぁ」と思うデザインが本当に沢山あって、私なんて『デザイナーです!』なんて堂々と言っちゃっていいんだろうかとたまに思うことがある。特に日本で支持されているデザインは「Simple is the Best」的なデザインが多く、それは私とは真逆なスタイルでとても苦手なクリエイション。かつて学生だった頃はシンプルでかっこいいデザインにとても憧れた。今思えば、それは私が持っていない素質だから余計に憧れたのかもしれない。好きなフォントはもっぱらゴシック体だった。そんな憧れのデザイナー目指して頑張った時代もあったけど、どうしても「これが憧れの!」と思えるデザインが生み出せなくてとても悩んだ時期もあった。それでも諦めずデザイナーとして社会に出て外国で職務経験を積む内に自分の憧れていたデザインが全てではない事を知った。そして、自身でも気付けてなかった『Myスタイル』を様々な国の恩師が引き出してくれて、どうすれば洗練し上手く形に表現できるかを教え磨いてくれた。

私のデザインはコマーシャル向きではないと思う。世に称されているデザインの美の追求という観点からはどこかズレていて、どちらかというと極上のサービスをデザインを通してプロデュースしようとしているのだと思う。デザインの依頼者の要望や思いを形にし満足してもらい喜んでもらう事にデザインの本質を追い求めているし、アートの創造性や可能性をもっと楽しんでもらいたいと思っていて、そういうデザインをしている方が自分もやりがいを感じ探究心が湧いてくる。振り返ってみるとデザインしている間トレンドや格好はあまり意識していない。それよりもデザインに封じ込める意味や、自分が生み出すデザインがその人にとってどんなプラスの影響を与えうるかをいつも考えている。それが故に辿り着いたやりたいデザインの仕事はウェディングのデザインだった。この仕事に初めて携わった時は、自分にとって本当に天職だと思い心が震えた。

だから私のデザインは、最先端を生み出すかっこいいデザイナーの仕事ではないのだと思っている。どちらかというと無機の追求とは真逆の有機の追求をしているのかもしれない。(なんと言葉で表現していいのか分からない...)

今自分が生み出しているデザインは、若かりし頃憧れたデザインとは真逆をいっている。今の時代を象徴する様な一流の有名なかっこいいオシャレなデザイナーにはもう私はなれないと思っている。「自分に無いものを追い求めるのはもうやめよう」といつの頃からかあきらめられるようになった自分を自分で「よくやった」と思っている(笑)

だけどそれでもたまに不安になる。実際自分が憧れていたデザイナーになれていないのにデザイナーって名乗っていいのかって。けれど今は無名な自分のデザインに共感し感動したといってくれる人達がいる。周りが凄いと言っているからではなく、自分の意志と感性で好きだといって会った事すらないのに自分を信用して頼んでくれる人達がいる。本当に本当に心からありがたいと思うし、デザイナーをしていてこれ程までに嬉しく幸せな事はないと思っている。だから私は『Going my way!』と決めている。こんなデザイナーがいてもいいのかなって(笑)

この度久々にじっくり書きたくなった。写真は関係ない(笑)



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