仕事をしていく上で、自分にとっての最終目標って何だろう....。そんな事を脱サラ時からずっと考えていました。別にお金儲けがしたい訳でも、ただ有名になりたいわけでもない。「デザインの仕事が好き。一生続けたい。」そんな気持ちで始めたわけだけど、ただ「好き」の気持ちだけで事業を続けていけるわけがない。もっと人生の最後に『生きてきて良かった』そう思えるように頑張っていきたいな。とずっと思っていました。
そんなこんなで色々考える内、自然と目標が見えてきました。『そうだ、障害で苦しんでいる人達に貢献できる事を目標にしよう。』
というのも、私は元々、色々な先天性の障害を持って生まれました。
別に隠す事ではないのでここに書くと、右腕は「ホルトオラム症候群」という病気で、幼い頃治療を終えた今も、親指は全く機能せず他の指も普通に曲げる事ができず、手首も曲がらず腕の力も弱いので、重い物を持ったり掴む事ができません。また、右耳も生まれつき鼓膜がないので全く聞こえません。なので正直、右側から話しかけられたり、ザワザワした所での大勢の会話になると、一人に集中できないので聞こえてなかったりします。他にも色々ありますが、余り気にする事なく忘れています。(笑)
しかし、幼い頃から障害者としてではなく普通の子と同じ様にたくましく育てられたので、親元離れて独り立ちするまで、自分が「障害者である」という強い認識は全くありませんでした。実際には、公立の小学校に入れてもらえなかったりと色々あったみたいですが。まだ幼い当の本人は全くそんな事知る由もありませんでした。初めて思い知らされたのは、若い頃アルバイトをしようと研修を受けた時。「片手使えないとスピードが遅いし、(見た目にも)接客できないでしょ。」そんな理由で辞めさせられた事もありました。その時初めて自分は(どんな仕事でもできるわけでない「障害者」なんだな。)と自覚し、(勉強も好きになれない自分は、何としてもデザインで食べていけるようにしなければ)と思いました。
障害の事を考え始めると、両親への感謝の気持ちでいっぱいになります。普通の人と変わらず、いやおそらく、普通の人よりも強く(笑)生きていけるように育ててくれた事。就けない職種も多いけど『デザイン』という私でもできる仕事に就けるよう導いてくれた事。そして何より、自分自身で気付くまで、障害者として育ててこなかった事。今では、『デザイン』があるから社会の中で生きていく事ができているんだな。そう強く感じます。
国が定める「障害者」の枠組みに当てはまる自分が、今こうしてデザインのお陰で自ら地に足つけて生きていけるように、同じような障害を持つ方達の中にも、デザインによって救われる人はいるんじゃないか。そう思い始めました。いつかもっと事業が形になってきたら、障害を持つ方々にデザイナーになれるよう支援したり、楽しくできる仕事を与えたり、クリエイティブな世界で夢や希望を持ち前向きに生きていけるようサポートしたり...etc そうできるようになる事を私の最終目標として、これから色々と模索していきたいと思っています。
*写真は以前のパリ出張からのもの。鮮やかな色が目に飛び込んできます。
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